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あなたの確定拠出年金、眠っていませんか?「ほったらかし」を卒業して自分年金を育てる方法

 

「確定拠出年金(DC)に加入したものの、最初に選んだ商品のままずっと放置している…」

そんな経験はありませんか? 近年、企業型DCや個人型iDeCo(イデコ)の加入者は急増しており、多くの人にとって老後を支える重要な資産となっています 1。しかし、その一方で「加入したきり、内容をほとんど確認していない」という声も少なくありません
実際に、ある30代の女性会社員は、転職時に加入した企業型DCを5年間放置していたところ、資産がほとんど増えていなかったことに落胆したそうです

この記事では、そんな「ほったらかしDC」から卒業し、大切な「自分年金」を着実に育てるための具体的な方法を、専門家のアドバイスを交えながら分かりやすく解説します。


 なぜ「ほったらかし」はもったいないのか?

確定拠出年金は、毎月一定額を積み立てていく投資の一種です。最大のメリットは、長期的な視点で資産を育てられることですが、「ほったらかし」には2つの大きな落とし穴があります。

  1. 知らないうちにリスクが高まっている可能性近年の世界的な株価上昇により、ご自身のDC資産に占める株式の割合が、最初に設定した時よりもかなり高まっている可能性があります。株式の比率が高いということは、それだけ市場の変動による影響を受けやすい状態にあるということです 。もしもの株価急落の際に、資産価値が大きく目減りしてしまうリスクを抱えているかもしれません。
  2. より良い商品への乗り換えチャンスを逃している最近では、企業型DCで取り扱われる金融商品が追加・変更されるケースも増えています 。特に、同じような投資先(例えば米国株や世界株)でも、運用にかかるコスト(信託報酬)がより低い商品が登場していることがあります。コストは長期的な運用成果に大きく影響するため、定期的に商品のラインナップを見直すことが重要です。弊社の投信は、S&P500やNASDAQ100と言ったアメリカの株価指数を使ったインデックスファンドを追加しています。

 資産を安定的に育てる鍵、「リバランス」とは?

DC運用で安定した成績を目指す上で欠かせないのが、「分散投資」と「リバランス」という考え方です

・分散投資: 国内外の株式や債券など、値動きの異なる複数の資産に分けて投資することで、一部の資産が値下がりしても他の資産でカバーする効果が期待できます

・リバランス: 時間が経つと、値上がりした資産の割合が大きくなり、当初決めた資産配分(ポートフォリオ)が崩れてしまいます。そこで、割合の増えた資産を一部売却し、その資金で割合の減った資産を買い増すことで、元のバランスに戻すのがリバランスです

例えば、「国内株25%・外国株25%・国内債券25%・外国債券25%」と決めていたのに、株価が上昇して株式の割合が60%になってしまったとします。この場合、増えすぎた株式の一部を売って、そのお金で債券を買い、再び均等な割合に戻すイメージです 。リバランスには、値上がりした資産の利益を実質的に確定させると同時に、資産全体の価格変動リスクを抑えるという大切な効果があるのです

 

 今すぐできる!DC資産を見直す2つの具体的な方法

DCの資産配分を見直すには、「スイッチング」と「配分変更」という2つの機能を使います。手続きは無料で、加入しているDCの専用サイトから簡単に行えます

1. スイッチング:今ある資産のバランスを整える

スイッチングとは、これまでに積み立ててきた資産(投資信託など)を一度売却し、その資金で別の金融商品を購入することです。まさに、先ほど説明した「リバランス」を行うための機能です。通常、投資信託を売却して利益が出ると約20%の税金がかかりますが、DC口座内でのスイッチングであれば、利益が出ても非課税という大きなメリットがあります。この税制優遇を活かさない手はありません。

2. 配分変更:これからの掛金の投資先を変える

配分変更は、毎月の掛金でこれから購入していく商品の組み合わせや割合を変更する機能です例えば、これまで元本確保型の商品(定期預金など)だけで運用してきた人が、「少しリスクを取って投資信託を始めてみたい」と考えた場合、まずはこの配分変更で、今後の掛金のうち10%だけを株式投信に振り向ける、といった使い方ができます。これにより、少しずつリスク資産に慣れていくことが可能です

専門家は、「5〜10年に一度、ライフステージが変わりやすいタイミングで、スイッチングと配分変更を併用して資産比率を見直すのが良い」と指摘しています。また、少なくとも年に一度は運用状況をチェックする習慣をつけることで、「放置して後悔する」事態を避けられます

 

 あなたに合った資産配分の考え方

では、具体的にどのような資産配分を目指せば良いのでしょうか。これに唯一の正解はありませんが、2つの軸で考えるのがおすすめです。

① 年齢やライフステージで考える

一般的に、リタイアまでの期間が長い若い世代は、価格変動リスクはあっても高いリターンが期待できる株式の比率を高めに設定し、積極的に資産を増やすことを目指します

一方、リタイアが近づいてくる中高年の世代は、投資にかけられる時間が短くなるため、大きな相場下落が起きた際に回復を待つ余裕がありません。そのため、徐々に安全資産(債券や元本確保型商品)の割合を増やし、安定運用に切り替えていくのが基本セオリーです

② あなた自身の資産全体で考える

DCの資産配分は、DC口座の中だけで考えるのではなく、NISAや預貯金など、ご自身が保有するすべての資産をトータルで見て決めることが重要です

例えば、NISAで積極的に株式投資をしているなら、DCでは安定的な債券の比率を高める、といったバランスの取り方ができます。また、給与収入が安定していたり、貯蓄が順調に増えていたりすれば、DCでよりリスクを取ることも可能になります

 

 面倒な人向けの選択肢「バランス型投信」

「リバランスを自分でやるのは面倒…」と感じる方もいるでしょう。そんな方には、あらかじめ株式や債券などが一定の割合でパッケージになっている「バランス型投信」という選択肢があります

ただし、こうしたお任せできるタイプの投資信託は、自分で個別商品を組み合わせるよりも信託報酬などのコストが割高になる傾向がある点には注意が必要です

まとめ:まずはログインから始めよう

確定拠出年金は、あなたの豊かな老後を支える大切な「自分年金」です。その価値を最大限に引き出すためには、加入時だけでなく定期的なメンテナンスが欠かせません。

まずは、お使いのDCの専用サイトにログインして、ご自身の資産が今どうなっているかを確認することから始めてみませんか? 長期的な視点を持ち、適切なタイミングで見直しを行うことで、あなたの資産は着実に育っていくはずです。


この記事が、あなたの確定拠出年金の運用を見直すきっかけとなれば幸いです。


1級FP技能士 本川 吉弘

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